マンション買取とは、不動産会社が買主となって直接あなたの所有物件を買い取る方法です。通常売却する場合には、不動産会社が間に入って「買いたい人」を探してくれますが、マンション買取の場合は、不動産会社(買取再販業者)=「買いたい人」となります。
マンション買取のメリットとしては、次のようなものがあります
契約不適合責任がない
2020年4月1日に施行された改正民法により、従来の「瑕疵担保責任」は、「契約不適合責任」へと改められました。
不動産の売買契約の履行において、物件に欠陥があった場合など、引き渡した売買契約の対象物が契約内容と合っていないときに売主が負う責任のことですが、買取の場合は、買取業者が解体後、リフォームして販売しますので、売主であるオーナー様には、この責任はありません。
マンションの場合、リフォームしたあとの物件になりますので、売却されたオーナー様には、全く責任がないのが特徴です。
近隣に知られずに売却できる
売却をしていることをあまり他人に知られたくない場合にもマンション買取は有効です。一般的なマンション販売の場合、インターネットなどで物件情報を公開して買い手を探しますが、買取の場合は、買取業者が直接買取しますので、物件情報を公開する必要がありません。
通常のマンション販売の場合と違い、売却してリフォーム工事に取り掛かっても近隣の方は売却されたとは思わないみたいです。
最終的に売り出し時、もしくは管理会社などから聞いた場合に、売却されたと知るケースが多いです。
マンションを見せる必要がない
近隣に知られずに売却できると同様に、買い手にマンションの中の様子を見せる必要はありません。
購入希望による室内の内覧が必ず必要になります。中を見ないで購入するケースは中古マンションの場合、ほとんどありません。
何度も見ず知らずの人が家に来て、その応対をするというのは、ストレスに感じるものですから、内見対応はしたくない、という方には大きなメリットです。
仲介手数料がかからない
買取は仲介会社が間に入らないので、仲介手数料は発生しません。仲介で売却する場合は、成功報酬として、宅地建物取引業法に定められた範囲内で仲介手数料を支払う必要がありますが、必要ありません。
※仲介手数料の法定限度額(売却価格×3%+6万+消費税)
仲介手数料とは、住宅の売買や賃貸住宅の賃貸借の際、売主と買主の間に入って意見の調整や契約事務などを行う不動産会社(仲介会社)に支払う手数料のことですので、買取業者が直接買取する「買取再販」では、仲介手数料はありません。
但し、買取業者から直接ではなく仲介業者からの紹介で買取業者が購入した場合は、仲介手数料が発生する場合があります。
逆に、マンション買取のデメリットは次のようなものがあります。
売却価格が安くなる
買取による買取価格は、仲介による売却価格よりも安くなりがちです。仲介市場での取引価格の6割から7割程度になるケースがほとんどです。なぜなら、買取業者が買える価格を提示してきます。買取業者は、「転売したときに売れる価格はいくらか?」「リフォーム・リノベーションをして価格を上げることができるか?」という基準で価格を提示しています。
買取業者は、物件の価値を高めるリノベーションのプランやその工事費を計算して買取価格を査定しています。買取業者によって、リノベーションのスキルや工事費の計画が異なるので、高値で売却するためには、買取業者選びもポイントとなります。
比較項目 | 仲介業者 | 買取再販業者 |
---|---|---|
購入者 | 個人 | 会社 |
価格 | 市場価格 | 市場価格よりも3~4割安 |
仲介手数料 | 必要 | なし |
期間 | 平均3カ月 | 1週間程度 |
物件の状態が良くても高くならない
築浅で建物の破損や汚れなどがない物件に高値がつくのではと期待するかもしれません。しかし、買取の場合はリフォーム・リノベーションなどを行って付加価値をつけてから再販売することを前提としています。
そのため、どんなにキレイで状態が良好であっても「リフォーム・リノベーションなどをしても付加価値が付きづらい物件」と判断された場合には査定額が低くなることもあります。
また、近隣のマンションなどの取引事例が多く、リフォーム・リノベーション工事もしやすい物件であれば、良いのですが買取業者によっては、事例が少ない場合、買取できないケースもあります。
最終的に誰が住むのかわからない
すでにお住いの方としては長年住んでいるマンションですので、思い入れもありますし、できれば感じの良い方に入居してほしいのですが、買取再販は販売業者が決めますので誰が購入するのかは、まったくわからないのが現状です。